Zero by Charles Seife

Zero by Charles Seife Penguine Book

数字の零(と無限大)の歴史についての本。古代の話から始まり、ゼノンのパラドクス(アキレスの亀)や天動説と地動説、西暦ゼロ年がないことや、遠近法の発見、微分積分や、幾何学(放物線は楕円の片方の焦点を無限大にしたものなど)の話、リーマン球で零と無限大は相互に交換可能であること、相対性理論量子力学、そして最後は宇宙の話になって、終わります。

正直、前半はとても面白かったです。特にゼロがどのように各文明で扱われてきたのか、そしてどのように文化の発展に貢献してきたか、などのところは、最近歴史に興味があるせいか、楽しんで読みました。

その反面、後半部分、特に純粋な数学や相対論などの物理、宇宙の話になってくると、話の焦点がなんかぼやけている気がして、前半が興味深かっただけに、ちょっと残念でした。

ただ全体として、ゼロと言うものに焦点を当て、その発展を追ってきていると言う、着想が面白く、人間の発展の歴史の一面を知ると言う意味において、なかなか良かったと思います。

また、そのうち読み直す本の候補に入りますかね。

ちなみに日本語訳も出ているようです。

異端の数ゼロ チャールズ・サイフェ著 早川書房

Zero: The Biography of a Dangerous Idea

Zero: The Biography of a Dangerous Idea

異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念

異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念